-*- Text -*- Debian GNU/Linux 1.3について Debianの構成・方式、Debian JPについて (Debian 1.3 のリリースノート的な話と 最近の Debian JP なんかの紹介記事でいいのですね。) (ですます調。紹介は「である。でした。する。」) BEGIN ■ Debian GNU/Linux 1.3リリース by 鵜飼 文敏 Debian GNU/Linuxのコードネームboと呼 ばれていたバージョンも1997年6月5日をもっ て正式にDebian GNU/Linux 1.3としてリリー スされました。その後,XFree86 3.3がリ リースされましたので,それに対応して7 月8日,XFree86 3.3を含むようになった Debian GNU/Linux 1.3.1がコードネームbo の正式リリースとして配布されるようにな りました。今後Debianはstable(安定版)と してbo(1.3.1)に対する修正版(bo-fixed, bo-updates)およびunstableとしてhamm (2.0の予定)の開発がすすめられていくこ とになっています。ここでは今回リリース されたDebian GNU/Linux 1.3(1.3.1)の紹 介をします。 Debian 1.3では,リリースされた時点で Linuxディストリビューションの中で最多 のパッケージ数を誇っていますが,その他 にDebian 1.2から1.3で改善された点とし ては ・CD-ROMからフロッピーなしでインス トールが可能 ・RPMやSlackwareのパッケージもdeb に変換可能 ・シャドウパスワードに対応 ・システムをより統合したものに ・リリース前の念入りなテスト ・Offcial CD などがあります。これらについて簡単に 説明します。 そして,Debian 1.2から1.3へのアップグ レードの方法やDebianの入手先などを簡単 に説明します。その後,Debianをプロデュー スしている組織,Software in the Public Interestについて,およびDebianの考える フリーソフトウェアライセンスに述べよう と思います。 また,Debian JP Projectの現状について 説明します。 ■Linux界で最多のパッケージ数 Debian 1.3のリリースの時点で,Debian はLinuxディストリビューションの中でも 最多とも言える全部で 974 ものフリーソ フトウェアのパッケージからなりたってい ます。 これらのパッケージは世界中の無報酬で 働く200人ものボランティアがインターネッ トを使って共同開発しています。 このインターネットを使って開発してい るという点が他のLinuxディストリビュー ションとの大きな違いの一つです。他の Linuxディストリビューションでは会社組 織が配布していますが,Debianはそうでは ありません。Debianをプロデュースしてい るのはSoftware in the Public Interest という非営利団体です。 ■CD-ROMからフロッピーなしでインストール可能 Debian 1.2では,レスキューフロッピー が1枚,ドライバフロッピー1枚,ベースフ ロッピーが4枚と計6枚を作成してからイン ストールというのが標準的なインストール 方法でした。Debianでは一旦インストール してしまえば,大きなトラブルでも起きな い限り,システムのバージョンアップなど のために一からインストールしなおすとい うこともありません。そのため6枚必要で も一度やれば済むことなのであまり気にな らないと言えるのですが,始めてLinuxを インストールしてみようという人にとって はやや面倒なものであったと言えるでしょ う。SlackwareやRedHatではこんなに多く のフロッピーを作る必要がなくなってきて いたのでなおさらです。 Debian 1.3からフロッピーなしでCD-ROM から直接インストールすることが可能にな りました。そのためにはCD-ROMからブート できるように作成されていて,レスキュー フロッピーでCD-ROMがアクセスできるよう なPCであることが条件になります。 また,CD-ROMからブートできなくても, Debian 1.3ではドライバやベースシステム はNFSやCD-ROMからもインストールするこ とができるようになりました。従ってレス キューフロッピーを一枚作ればインストー ルすることができるようになっています。 もしドライバフロッピーにあるドライバが ないとアクセスできないようなメディアか らインストールする場合にはドライバフロッ ピーも作る必要があります。この場合,ベー スフロッピーの内容はドライバフロッピー でインストールしたドライバを使ってイン ストールされるのでフロッピーを作る必要 はありません。 もちろん,CD-ROMもなくNFSすることもで きない場合でも,従来と同じく6枚のフロッ ピーがあれば最小限のDebianをインストー ルすることができます。 (*)インストール時に作成するブートディスク 用のブランクディスクも必要 ■RPMやSlackwareのパッケージとコンパチブル Debian以外のLinuxディストリビューショ ンはいろいろありますが,特に有名なもの としてSlackwareやRed Hatがあります。こ れらはそれぞれ違ったバイナリパッケージ を提供しています。Debian 1.3では,これ らのために作成されたパッケージも使える ようになりました。そのためのパッケージ がadminセクションにあるalienパッケージ です。これを使えばRed HatのRPMフォーマッ トやSlackwareのtgz,単にbinaryをtar.gz したものなどをDebianのパッケージである debに変換し,それをインストールするこ とができます。こうすることでDebianのパッ ケージ管理システムの元でRPMやtgzなどの パッケージをうまく管理することができる ようになります。 例えば,RPMのapplixパッケージをalien すると/var/lib/alienにあるapplix用の Debian用の修正(/opt/applixではなく /usr/X11R6/lib/X11/applixにインストー ルする)をあててからdebにしてシステムに インストールします。 ただ,今のところインストール時に実行 するスクリプトなどにはまだ対応していな いようです。またDebianのパッケージから RPMに変換するプログラムは現在開発中で すが1.3にはありません。 また,非Debianパッケージでは依存関係 などはうまく定義できないので,注意が必 要でしょう。 ■シャドウパスワードに対応 Debian 1.3になりシャドウパスワードに 対応になりました。 従来の昔からのUNIXのパスワードでは /etc/passwdにDESという方法で暗号化され たパスワードが保存されています。これは 見ただけでは簡単に元のパスワードを知る ことはできないのですが,いい加減なパス ワードを使っている場合など速いPCで辞書 などを使うことでパスワードがばれてしま う可能性があります。最近もネットニュー スのサーバとして広く使われているinnの セキュリティホール(*)をついて /etc/passwdを盗むといったことがあった りしました。 /etc/passwdのリードパーミッションを落 とせば簡単には見られることはないのです が,lsなどでファイルのユーザがわからな いとかいろいろ不便なので,これのパーミッ ションを変えるというのもよくありません。 シャドウパスワードはこういったことの 対策として ・/etc/passwdには暗号化されたパスワー ドもいれない ・/etc/shadowにパスワードの情報などを いれる。そしてこれは一般ユーザは 読めない としたものです。 シャドウパスワードをうまく使うことに より,インターネットに接続しているホス トなどでは,よりsecureにすることが可能 となりました。 Debian 1.3では簡単にシャドウパスワー ドにすることができるようになっています。 baseセクションのpasswdパッケージに含ま れている/usr/sbin/shadowconfig を使う ことで簡単にシャドウパスワードにしたり 元に戻したりできるようになっています。 (*)最新のinndでは,このセキュリティホー ルはふせがれています。 ■システムの統合 Debianのパッケージ管理システムはよく できていますが,新しくインストールした アプリケーションをウィンドウマネージャ のメニューに追加したりするなどはやはり 手作業でする必要があります。 Debianでは,これをサポートするための 仕組を提供することでシステム全体がより 統合されるようにしています。それを実現 するために開発されたパッケージがmenuパッ ケージです。menuパッケージによりウィン ドウマネージャのメニューにアプリケーショ ンを簡単に登録できるようにすることがで きます。 また,ドキュメントに関してDebianでは それぞれのパッケージのドキュメントは /usr/doc以下にインストールされ,また info形式の場合も自動的にEmacsのinfoディ レクトリに登録されていました。今回開発 されたdwwwパッケージを使うと,これらの ドキュメントをウェブサーバに追加したり できます。これをインストールしておけば パッケージのドキュメントを簡単にウェブ でもブラウズできるようになります。 これら機能は Debian 1.3ではプロトタイ プとして提供されています。 ■リリース前の念入りなテスト Debian 1.3のリリースにあたり,Debian では大規模な公式テストチームを組織しま した。予定では5月12日頃にDebian 1.3を リリース予定でしたがクリティカルなバグ が見つかったりしてリリースが延期になり ました。そのぶんリリースされたDebian 1.3はかなり安定していると言えるでしょ う。 ただ,Debian 1.3リリース直後に,X関係 のバグをいろいろ修正されたXFree86 3.3 がリリースされたので,Debianではこれを とりこんだDebian 1.3.1をコードネームbo の正式版としてリリースし直しました。 Debianシステムはよくできていますが, バグがないということではありません。そ もそも世の中バグのないシステムはないで しょう。 様々なバグレポートを処理するために Debianではバグ追跡システムというものを 利用しています。報告されたバグは番号付 けされ,しかるべき担当者のもとに伝えら れます。全てのバグレポートはウェブサー バで公開しています。詳しくは http://www.debian.org/Bugs/ を御覧くだ さい。この中には,様々なパッケージのバ グの情報やその回避法などものっていたり します。 これにより,ユーザは自分のトラブルが 既知のバグかどうかすぐにわかりますし, 場合によってはとりあえずの回避方法を知 ることもできます。 これらのバグを修正していくことで, Debianはより安定した優れたものになって いくので,もし新たなバグを見付けたなら 是非バグレポートしましょう。 ■Official CD Debian 1.3では,Debianとしては始めて 公式CD-ROMが作られました。2枚組の Official CDのISO 9660形式のイメージファ イルをanonymous ftpで配布しています。 また,$50.00でCD-ROMを複製するためのマ スターとなるOfficial CDを入手すること もできます。 CD-Rを使えば,anonymos ftpで配布され ているイメージファイルで簡単にOfficial CDを作成することができます。しかしなが ら,CD 2枚組なのでイメージファイルも 1.3Gと非常に巨大なものとなっています。 これをミラーしているサイトはそれ程多く ありませんが,日本でもDebian JP Projectの鴨志田さんにより,以下のとこ ろが公式ミラーサイトと登録されています。 ftp://ftp.kc.chuo-u.ac.jp/pub/Linux/OfficialCD/ このイメージファイルを使って作った CD-ROMはDebianの公式(Official)CD-ROMを 名乗ることができます。 既にいくつかのCD-ROMベンダがDebianの Official CDを販売しています。 ・Linux Systems Labs 2枚組のOfficial CDセットを$3.95および $8.95で販売しています。Debian 1.3.1に なった時にすこし安くなりました。どちら のセットも内容は全く同じですが,$8.95 セットの方はDebianの組織 Software in the Public Interestへの寄付$5.00を含ん でいます。詳しくは http://www.lsl.com/ を御覧ください。 ・Cheap*Bytes こちらも2枚組のOfficial CDを$3.99およ び$8.99で販売しています。こちらも$8.99 セットの方は寄付$5.00を含んでいます。 詳しくは http://www.cheapbytes.com/debanno.htm を御覧ください。 その他にもいくつかDebianのCDを販売して いるところがあります。詳しくは http://www.jp.debian.org/vendors.html に載っています。 ■アップグレードが簡単 しっかりしたパッケージ管理システムが なかったLinuxディストリビューションの 頃は,新しいバージョンがリリースされる ごとにバックアップをとり一からインストー ルしてローカルな修正をバックアップした ものから戻してくる必要がありました。こ れはあまりにも面倒です。Debianではそん なことをする必要はありません。 Debianでは1.2から1.3にアップグレード するためには,まずパッケージ管理システ ムとライブラリを更新しておきます。その 後,dselectを使えば自動的に1.2から1.3 にアップグレードが可能となっています。 具体的には,Debian 1.2のシステムから 1.3にするためには まず CD-ROMの中にある ldso_* libc5_* dpkg_*, dpkg-ftp_* をインストールします。 まず,dpkgパッケージ管理システムに以前の利用 可能なパッケージの情報を忘れさせます。 # dpkg --clear-avail それから,ldso,libc5およびdpkgと dpkg-ftpをインストールします。 # dpkg -i ldso_*.deb # dpkg -i libc5_*.deb # dpkg -i dpkg_*.deb dpkg-ftp_*.deb また,Debian 1.3ではTeX関連の構成が大 きく変更になり,teTeXベースとなってい ます。もし Debian 1.2でTeX関連をインス トールしていた場合には,texbinを自動的 に削除できませんので,以下を実行して構 成ファイル含めてパッケージを完全に削除 しておく必要があります。 # dpkg --purge --force-depends texbin この後,dselect を普段通り使えば自動 的にアップグレードできます。一度のイン ストールでは設定に失敗するパッケージも ありますが何度かインストールを実行する ことでインストールできるはずです。 もちろん,全てをアップグレードしない で必要なパッケージだけを徐々にアップグ レードしていくという方法もあります。そ の場合でも,dpkgをはじめとするパッケー ジ管理システム,ダイナミックリンクをつ かさどるldso,様々なパッケージから利用 されているライブラリ(特にlibcなど)は, 他のものに先駆けてアップグレードしてお く方がよいでしょう。 ■Debian 1.3と1.3.1の違い さて,Debian 1.3がリリースされて一月 程でDebian 1.3.1がリリースとなりました が,Debian 1.3と1.3.1の主な違いはX関係 がXFree86 3.2からXFree86 3.3になったこ とです。これにより従来から指摘されてき ていたX関係のセキュリティを始めとする 問題を解決しています。またXだけではな く,この間に見つかった他のパッケージの バグも直されています。 Debian 1.3から1.3.1にアップグレードす る時も特にトラブルことなく簡単にアップ グレードが可能です。 ■Debian GNU/Linuxの入手先 Debianはインターネット上で開発されて います。CDなどでも販売されていますが, 最新版となるとインターネットを通じて入 手するしかないでしょう。これは世界中の anonymous ftpで配布されています。マス ターとなるanonymous ftpサイトは ftp://ftp.debian.org/debian/ となっています。 数多くのユーザのリクエストに対応する ため,公式ミラーサイトとして登録されて いるだけでも現在80近くものミラーサイト が世界中で運営されています。 日本では以下のサイトが公式サイトとなっ ています。できるだけこれらのサイトを利 用するようにしてください。 ・ftp://ftp.jp.debian.org/debian/ at-mインターネットサービスの御協力に よりDebian JP Projectが運営,管理して いるサイトです。ここはIIJと接続してい ますのでIIJおよびその近くのユーザはこ こを利用するとよいでしょう。 ・ftp://ftp2.linux.or.jp/pub/Linux/debian/ (ftp://ftp.TokyoNet.AD.JP/pub/Linux/debian/) 東京インターネットのanonymous ftpにも debianの公式ミラーサイトとなっていただ いています。 ・ftp.riken.go.jp:/pub/Linux/distributions/debian 理化学研究所でもミラーされています。 ■Software in the Public Interest Debian 1.3がリリースされるのとほぼ時 期を同じくしてSoftware in the Public Interestという非営利団体が設立されまし た。これはDebianの活動を後援するために 結成された団体です。目的はフリーソフト ウェアを開発し広く配布することです。こ の組織の目標は,主要なプロジェクトが Linuxにあることを除けばFSF(Free Software Foundation)の目標とほとんど同 じだと言えるでしょう。Software in the Public Interestでは,GNU一般公有使用許 諾(GPL)かソフトウェアの再配布と使用を 認める他の使用許諾(例えばBSDやArtistic のような)を用いるようプログラマに勧め ています。 現在 Software in the Public Interest はU.S. Internal Revenue Service (合州 国国税庁)に 501(c)3 免税非営利団体と認 められるよう正式に申請しています。この 申請が通れば,非課税の寄付金と助成金を Linux の開発に使うことができるようにな ります。Debianへの寄付方法に関しては詳 しくは http://www.debian.org/donations.html を見てください。 ■100%フリーソフトウェア Debianは 100%フリーソフトウェアからな るシステムを実現しています。これからも 100%フリーソフトウェアであり続けます。 Debianの上でnon-freeなソフトウェアを開 発したり利用したりすることは,もちろん 全然問題ありませんが,Debian自体が non-freeなソフトウェアに依存するような ことにはしていきません。 Debianの目的としては,フリーソフトウェ アを広く配布し,使ってもらうことです。 これにより見つけられたバグやその修正, ユーザが使ってみて思った改善や要求など をフリーソフトウェアの作者にフィードバッ クしていきます。また,見つかった問題点 など隠さずにウェブサイトで誰でも知るこ とができるようにしています。これらの 活動によりフリーソフトウェアの質はより よくなっていくことを期待しています。 また,Debianはフリーソフトウェアにこ だわりすぎてユーザの要求を無視したりも しません。Debianを使った商用ソフトウェ アなども,自由に作りDebian込みで販売し てもかまいません。そのいったことが自由 にできるようにするためにもDebianは100% フリーソフトウェアであり続けるのです。 Debianのフリーソフトウェアのガイドラ インからはずれるものはftpのcontrib, non-freeにも置かれています。これらは FTPでは配布すること自体は問題ないもの ですが,CDで配布したり,利用することに 対して条件・制限があるものです。 ■ Debianのフリーソフトウェアガイドライン Debianの提唱するフリーソフトウェアの ガイドラインを簡単に説明すると次の通り となります。 1. 自由に再配布できること プログラムを再配布することに何の制限 もないこと。これはローヤリティや料金な しで商業的に販売することも構わないとい うことです。また,購入したユーザがそれ を自由に再配布することももちろん可能で す。 2. ソースコードに関して プログラムは全てソースコードがなけれ ばいけません。そしてソースコードおよび 実行形式どちらも配布してよいことを必要 とします。 3. 派生物に関して オリジナルを修正したり,派生した物を 作ったりすることができ,それらがオリジ ナルのソフトウェアと同じ条件のもとで配 布することが許されないといけません。 4. 作者のソースコードの完全性 ソースコードを修正して配布する場合は, オリジナルのソースコードはそのままでそ の修正部分を"patchファイル"として追加 で配布するというものも構いません。ただ し,その修正部分をあてたものでコンパイ ルした実行形式を配布することは許可して いないといけません。またオリジナルとは 違う名前やバージョン番号で配布すること もあります。(これは妥協と言えなくもあ りません。そもそもフリーソフトウェアは 修正や派生物の作成に制限をつけない方が よいと考えられます。) 5. 人やグループで区別しない 6. 分野や活動で区別しない 例えば,商業利用を禁ずるとか遺伝研究 での利用を禁ずるとかいったことをするも のはフリーソフトウェアには含めないとい うことです。 7. ライセンスに関して 再配布時には,もとのフリーソフトウェ アとしてのライセンスが常に適用されます。 たとえCDで買ってきても,フリーソフトウェ アの部分は自由にコピーしたり,再配布し たり,修正したりしても構いません。 8. これらはDebianに依存しない。 これらの条件はDebianの一部だから適用 されるのではありません。Debianから抜き だしたプログラムも同じような条件となり ます。 9. 他のソフトウェアの条件と混合しない Debianと一緒に配布されるものが全てフ リーソフトウェアである必要はありません。 それらはそれぞれのライセンスであっても 構いません。ただし,そのソフトウェアの ライセンスがどうであれ,Debianの部分は そのライセンスにしばられることなく自由 に利用できます。 10. ライセンスの例 GNUのGPLや,BSDのライセンス,Perlなど のArtisticライセンスなどがフリーソフト ウェアと考えれらるライセンスの例です。 ■Debian JP Projectについて 昨年8月29日にdebian-devel@linux.or.jp としてスタートしたDebian JP Projectで すが,まもなく活動を開始して一年をむか えようとしています。この一年でパッケー ジ数もかなり増え翻訳もなされてきました。 Debian JP ProjectのWebページは http://www.debian.linux.or.jp/ にあります。ここから様々な日本語のドキュ メントにもリンクが張られています。 Debian JP Projectのパッケージの一覧表 もあります。またDebian JPのパッケージ に関して報告されたバグについてもまとめ られていますので是非御覧になってくださ い。 7月18日の時点でDebian JP Projectによ るパッケージは約130個ものパッケージが あります(別表参照)。Debian JPのパッケー ジは今回の付録CD-ROMにも含まれています。 ただし配布条件による一部含むことができ ないものが存在します。 Debian JP Projectにより作成されたパッ ケージは ftp://ftp.debian.linux.or.jp/pub/debian-jp/ ftp://ftp2.linux.or.jp/pub/Linux/debian-jp/ で配布しています。最新版は常にここに存 在します。また ftp://debian.mis.hiroshima-u.ac.jp/debian-jp/ ftp://ftp.pu-toyama.ac.jp/pub/Debian/debian-jp/ でもミラーされています。大学などではこ ちらのミラーが近くて便利でしょう。これ らのパッケージに関する質問やバグレポー トなどは次に述べるメイリングリストの方 へ報告していただけると助かります。 ■メイリングリスト Debian JP Projectではlinux.or.jpにて 日本語によるDebianのメイリングリストを 運営しています。 日本語によるDebianのユーザの情報交換 の場です。1997年2月19日に作成されまし た。初期メンバーは当時debian-develメイ リングリストに参加していた人約50人でし たが,5ヶ月たった今約600人となっていま す。5ヶ月間で1200通弱ですので一日平均 にすると約8通程度の流量です。もちろん 日によってかなりの変動はあります。 このメイリングリストには,基本的に Debian JP Projectのパッケージ作者やド キュメントの翻訳者も全員参加しています から,パッケージやドキュメントなどにつ いての質問,疑問,間違いの指摘,希望, 提案などがあればどんどん出してください。 そうやってフィードバックをかけることで Debianはより使いやすくなっていくはずで す。また,新しく作られたパッケージなど に関する情報もこのメイリングリストに流 されます。 このメイリングリストで出た話題に関し ては, http://www.linux.or.jp/~ukai/debian/topics-ml.html で見ることができます。ただし,更新頻度 も高くありませんし,しっかりまとまった 文書になっているわけではありません。ま た,古い情報が混ざっているかもしれませ んので気をつけてください。 このメイリングリストに参加希望の方は Subject:にAPPENDと書いたメールを debian-users-control@linux.or.jp 宛に送ってください。自動登録されます。 いきなりdebian-users@linux.or.jpに送っ たり,debian-users-request@linux.or.jp 宛に送っても自動登録はされません。注意 してください。 登録されればメイリングリストについて の説明がおりかえし送られます。メイリン グリストのコマンドの説明が書いてあるの でなくしてしまわないようにしてください。 なお,コマンドメールの宛先は debian-users-control@linux.or.jp ですので間違えないようにしてください。 debian-users-control@linux.or.jpでうま くいかない場合には事情を詳しく説明して debian-users-request@linux.or.jp宛へ 送ってみてください。 なお,linux.or.jpのインターネットへの 線は太いとはいえないうえにかなりの人数 が登録しているため,配送にはかなりの時 間がかかっているようです。できるだけス ムースに配送をおこなうようにするため, 配送エラーを起している人は予告なく(そ もそも予告ができない状態なわけですが) 配送を停止しています。そういったことが ありますので,しばらくメイリングリスト からメールがこない場合はコントロールメー ルでチェックしてみてください。 さて投稿する際の注意事項ですが,話題 などについては特にきまりはあるわけでは なくDebianに関することならなんでも構い ません。ただし,配送に支障をきたすよう な形式のメールを流すのはやめてください。 また Windowsなどのメイラーを使うなと は言いませんが,Windowsでなければ読め ないなどといったような非標準なフォーマッ トを使ったりしないでください。特に text/htmlのmultipart alternativeや,謎 のMS-Tsnef等をアタッチしないでください。 MS-WordやMS-Excelも当然のことながら駄 目です。トラフィックの無駄です。いきな り登録を抹消することはありませんが,非 常に印象が悪いということを知っておいて ください。 また,さすがに最近は減ってきましたが, Shift_JISやEUCのまま送信してしまう人が たまにいます。ISO-2022-JPでないとその まま確実に配送されるとは限りませんし, 普通の人は読めない可能性が高いのでちゃ んとISO-2022-JPで送るように直しましょ う。またいわゆる半角カナも使わないよう にしてください。句読点などが知らずにい わゆる半角カナの文字コードになっている ことがあります。 こちらは1996年8月29日に作成された Debian JP Projectのメイリングリストで す。初期メンバーは7人でしたが今では 100人の人が登録しています。 Debian用のパッケージの開発(主に日本語 関係)やドキュメントの日本語訳などをお こなってくれる人をまだまだ募集していま す。 こちらもSubject:にAPPENDと書いた メールを debian-devel-control@linux.or.jp 宛に送れば自動登録されます。 END (<=828)